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スクラップブック(その2)

nebusokuしばらくして目を覚ますと、だいぶ時間が経ったようです。あたりはすっかり夜になっていました。さっきのおじさんはもういませんでした。

泥棒だったらどうしよう、とも考え、貴重品などを確認しましたが、幸いなことに、何も取られてはいませんでした。

もしかして「すべてが夢だったのかな。」とも思いました。でも、夢にしては、はっきりと鮮明に覚えていて、現実感(リアリティ)があります。

また、被害も出ていないので、訴えることもできなそうだし、また、捕まえるほどのことでもないのでしょう。不思議な感じは残るのですが、いなくなったことでほっとして、その日は食事をして眠ることにしました。

数日後、アパートのオーナーの女性に毎月の家賃を払いにいくときに、この不思議な体験を話してみました。そのまま話すと、怖がられると思ったので、不思議な夢を見たということにしました。

すると、意外な反応が返ってきました。びっくりしながらもその人の特徴をしきりに尋ねるんです。やや小柄で、短髪の50代くらい、眼鏡をかけた男性、だとこたえると・・「ああその人ね。そうなのか~。」と納得したようなことをいいます。そして、ちょっと待っててと言って立ち去りました。