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勤務必要経費の追加

tax1w1 概要

  平成24年度税制改正に伴い「特定支出控除制度」が改正され、「資格取得費用の範囲の見直し」、「勤務必要経費の追加」を行っています。具体的には平成25年分以後の所得税から適用されますが、今回は勤務必要経費について考察してみます。

 

2 特定支出控除制度

  特定支出控除制度とは、給与所得者が一定の支出を行った場合、その支出額を一定の範囲内で所得控除できるとするものです。昭和62年度税制改正で創設されました。

  今までの特定支出には、通勤費、転任に伴う引越費用、研修費、資格取得費用、単身赴任者の往復経費の5つありましたが、今回の税制改正により、資格取得費用の範囲の拡大、勤務必要経費の追加が行われたことになります。

 

3 勤務必要経費

  勤務必要経費とは、職務と関連のある図書費、衣服費、交際費等のことで、その上限金額は65万円となっています。

「図書」とは政令上、書籍、新聞、雑誌、その他の定期刊行物で、紙媒体のものだけでなく、電子書籍等も含まれますし、不定期の刊行物や有料のメールマガジン、ニュースレターも含まれるようです。

「衣服」とは、政令上、制服、事務服、作業服、その他職場で着用が義務づけられているものを指し、一般的にはスーツなども含まれる可能性があります。しかし、スーツ着用義務があることを判断できるような服装規定が必要かもしれませんね。また、職場で作業着ほか、安全洋のヘルメット、安全靴、作業用手袋などの着用が義務付けられている場合には、作業着に限らず、その他の着用物も衣服に含まれる可能性がありそうですね。

  交際費等については、法律上、「交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出」と規定されています。このため、例えば、年俸制(交際費込み)の企業で、営業社員が有力な取引先を接待した場合、企業がその接待内容について職務遂行上直接必要であると認めたのであれば、その費用を特定支出として控除することが認められる可能性がありそうです。